2011年8月26日金曜日

ミクさんが新作料理を作る時。第2楽章 - ミクさんの隣

ミクさんの隣
まさか、朝から山登りする事になるなんて。
と思いながら、私は、脇目も振らずに歩き続けた。
隣を見ると、青いマフラーを巻いた彼も、ふらふらと歩いている。

「ミクさん、見つかりませんねー。」
「ミクは、空を飛べるからね。」
「それって、追いかける意味、あるのですか。」
「それは大丈夫。途中に、野生のネギの、群生地があるんだ。半日歩くと、追いつくよ。」

息切れ気味の私達。歩いて1時間で、この有様だ。
でも、私達は諦めない。彼と私の平穏な未来を守る為に。


それから、黙々と半日間、歩き続けた私達。
ようやく、ネギの群生地を見つけたけれど、もう、私達の足は限界だ。
彼と私は、途切れ途切れに言葉を交わす。

「ミクは、多分、休憩中。僕達も、休憩、しよう。」
「そう、ですね。あの、木の下で、休みま、しょう。」

私達は、少し高い場所に移動する。
休んでいる間に、ミクさんが見つかるかもしれないからだ。
そして、お互い、木にもたれて足を伸ばす。

ああ、気持ち良い。

足は重くて動かないけれど、座っているだけで、私は幸せに満ちてくる。
隣に座っている彼も、アイスクリームを食べる事も忘れて、この快感に浸っていた。


しばらく休んで、口だけは復活した私達。

「それにしても、ミクは見つからないなあ。」
「ミクさんは朝から此処に居ますから、どこかに移動したのでしょう。」
「この僕でさえ、疲れて動けないというのに。」
「あなたの場合は、首に巻いている青いマフラーが原因だと思いますよ。」
「これは、僕のポリシーだ。」

昨日はマフラーを巻いていなかったのに、炎天下の今日はマフラーに拘るKAITOさん。
ひょっとして、あなたは、太陽と戦っているのでしょうか。

「ところで、次にミクさんの行きそうな場所は、どこですか。」

私が質問している間に、いびきをかきだした青マフラー。
私も眠りたかったけれど、2人とも眠ってしまっては意味が無い。
私は目を大きく開いて、長い髪のシルエットを探し続けた。


その後は日が暮れるまで、私達はそこに居た。
時々、足を伸ばしてストレッチとマッサージ。
暗くなったら彼が起きて来たので、一緒に夕食を食べて寝た。


続く


**** 管理情報
o 文章作品
o 作品名 = ミクさんが新作料理を作る時。第2楽章
o 分類 = ミクさんの隣
o 作者 = to_dk
o 初出 = 2011-08-26 on Blogger


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    指導するミクさん
    ヨーグルトの目をしたミクさん
(2011年9月17日変更。タイトル変更)
(2011年8月26日変更。後半部分の言い回しを見直し)